藻谷 悠介(もたに ゆうすけ)

主任研究員

専門分野・担当国

リビアをはじめとする北アフリカ諸国の政治・経済・エネルギー、アラブ近現代史

紹介

大学に入学以降、宗教・社会的多様性を特徴とする大シリア地域(現シリア・レバノン・パレスチナ・イスラエル・ヨルダン)の歴史に興味を持ち、特に現代の大シリアにおける混迷の淵源として、19世紀以降の政治・社会の変容に注目するようになりました。研究を進める中で、1830年代に大シリアを支配し、現地の政治・社会に大きな変化をもたらした「近代エジプトの父」ムハンマド・アリーに関心が移り、彼によるシリア支配の構造について、博士課程まで研究してきました。2017年からは松下幸之助国際スカラシップ奨学生としてエジプトに留学し、国立公文書館で3年ほど史料調査を継続しました。2025年の博士号取得後は、ムハンマド・アリーの後継者たちに注目しつつ、近代化や植民地化、中央集権化などをキーワードとして、近現代における北アフリカと中東を跨いだ政治・社会制度の波及や交通・通信の進展を研究しています。

2026年4月に日本エネルギー経済研究所に入所し、中東研究センターの一員としてリビアのほか、エジプトやアルジェリアなど北アフリカ諸国の政治・経済・エネルギーについて調査・分析しています。これまでのキャリアを生かし、歴史や文化、宗教の知識も踏まえた厚みのある考察を心がけています。

これまでの研究成果としては、「1830 年代エジプト統治下シリアの財務行政」(『日本中東学会年報』38(2), 2023年)や「ムハンマド・アリー占領期(1832~1840)のアレッポ高等協議会」(『東洋学報』99(4), 2018年)などの論文、および山根聡編『〈イスラームからつなぐ6〉思想と戦略』(分担執筆, 東京大学出版会, 2025年)や近藤文哉編『中東における旅行・観光の歴史的展開と現代の諸相』(分担執筆, SIAS, 2022年)といった共著があります。そのほか、国内外の学会や研究会で研究報告を行なってきました。

教育歴としては、群馬県立女子大学(国際コミュニケーション学部「世界の宗教」)、法政大学(経済学部「世界史A/B(教職)」)、新潟県立大学(国際地域学部「イスラーム文化史」)、成蹊大学(文学部「中東地域史」)において、中東地域の歴史や文化、宗教に関する講義を担当してきました。

2014年東京大学文学部卒業、2016年同大学院人文社会系研究科修士課程修了、2023年同博士課程単位取得退学。2025年博士(文学)取得[東京大学大学院人文社会系研究科]